2010年3月6日土曜日

美味しいお菓子のお店

(Horno San Onfre) *calle Hortaleza 9






             *calle de San Onofre 3


             tel:91 532 90 60







             *calle Mayor 73


             tel:91 559 62 14





1972年からの長い歴史を持ったPanaderíaです。ケーキやチョコレートも充実していて、お誕生日ケーキを予約する人も多いようです。小さなお店ですが、その場で買ったパンやお菓子とコーヒーを頂く事も可能です。


日によって、バリエーションの違うPasta de té も絶品なので是非お試しを。


犬の形をした素朴な味の Pasta de téの正体、それは伝説のPerro Pacoです。





(Historia de Perro Paco)


1879年マドリッド、まだ人々が山高帽などをかぶって歩いていた頃の話。


友人と飲みに出かけたDon Gonzalo de Saavedraこと Bogarayaの伯爵(1885-1891にはマドリッドの市長でした)が、たまたますれ違った一匹の黒毛の野良犬を食事に招待し、Pacoと名付けました。


当時のレストランは動物を連れて入る事は禁止されていましたが、伯爵の知名度からか、Pacoは一躍話題となり人々は争うようにPacoに食事を振舞うようになりました。Pacoの好物はステーキ。この賢い犬はきちんと椅子に座り食事をする事も覚えました。


そんなPacoの人気は瞬く間にマドリッド中に拡がり、演劇や闘牛にも顔を出すような大物に。更には、新聞の風刺画としても登場したそうです。




この人気にあやかろうと、Pacoに関連した商品も販売されました。Horno San Onfreの犬型クッキーもそのうちのひとつ。





El teatro ApoloがまだGran víaの Iglesia de san joseの隣にあった頃、最前列の一席にいつもPacoが座っていたそうです。満席の場合はPacoが座れるよう席を詰めたとか。





どれだけ有名になっても、ボヘミアンな魂を持ち続けたPaco、立派なお屋敷の客室は肌に合わず寒い冬の夜も街のどこか自分だけの場所に帰って行ったそうです。





多趣味なPacoの一番のお気に入りは闘牛観戦。かつて Goya通りとJorge Juan通りの間にあったPlaza de torro(闘牛場)によく通っていたそうです。闘牛士が止めを刺すと、Pacoは観客席を飛び降り、褒め称えるように牛の周りを吠えながら走り回ったそうです。





ある日、市外からやってきた若手闘牛士を見に行ったPaco。あまりに締りのない演技に腹を立てたのか、客席からワンワンと不平を言い、遂にはアレナ(闘牛場)に飛び降りて若闘牛士にお説教を始めました。


アレナは神聖な場所。野良犬が迷い込むとは何事か。と、Pacoの存在を知らなかったこの若闘牛士は牛に止めを刺す為のBanderillaでPacoを一突き。1882年7月21日Pacoは人々の前で息を引き取りました。


もちろん、Pacoを可愛がっていた人々はその闘牛士を許すはずがありません。会場は騒然となり人々は次々とアレナへ飛び降りました。若闘牛士は命からがら逃げたそうです。





Pacoの亡き骸は剥製にされ、とあるタベルナに飾られました。


銅像を作る話もでたようですが、そのための寄付が集まらず、結局その亡き骸はRetiro公園に埋められました。


どこに埋められたかは誰も知らず、マドリッド子の記憶からも偉大なるPerro Pacoは消え去ってしまいました。



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