2010年3月10日水曜日

スペイン人的車内マナー


私は、Centro(中心街)から少し離れたBarrioに住んでいるのでどこに行くにもMetroを利用します。
20分程度の短い移動の中でも文化の違いを感じる事が多々あります。



まず、スペインには列になって電車待ちをする習慣がありません。

混雑時でもそれぞれ好きな場所でMetroを待ち、近くに着いたドアを見つけて我先にと乗車します。

日本のようにドアの来る位置がAndén(プラットホーム)に記されていないので個々の感覚でそこだと思うところで待ちます。



一応、「乗車時は降りられる方を優先してください。」という放送も入るのですがみなさんお構いなしです。たまにとてもせっかちな方がいて、扉が開く前から中央に立って乗車待ちをしています。空席がある場合は更に状況はひどくなります。



乗車時の戦場のような有様とは打って変わり、降りる際はみなさんとってもエレガントなんです。

混雑時、人と人の隙間に押し入るのはタブーのようで、

「¿Va a salir? 」「降りられますか?」

と尋ねます。降りるようならそれに続き、そうでない場合は通り道を空けてくれますので一言お礼を言って前に進みます。

奥の方にいた場合は何度も質問しないといけないので少しめんどくさいんですが、黙って割り込むよりずっと気分が良いですよ。




こちらの列車は日本のような自動ドアでないのはご存知でしょうか?各駅でドアが開くのではなく、取り付けられたレバーか、ボタンを押して自分で扉を開けます。日本の感覚でいると乗り過ごしてしまいますので気を付けてくださいね。

列車の年式によってはボタンの位置が違ったり、たまに勝手に開く物だったりするのでこちらに来て最初の数週間はドキドキしながら常にボタンの位置を確認していました。



車内での立ち位置も日本とは少し違いがあります。

つり革がないので、近くにある手すりにつかまるのですが、その時座っている人の前に立つとものすごく嫌がられます。もちろん混雑時は仕方が無いのですが、席を譲るよう催促しているように見えるそうです。スペイン人は意外なところで繊細なんです。。。。



かと思えば、車内での携帯の使用は許されるようで、みなさん周りなど全く気にせずおしゃべりをします。

イヤホンから漏れる大音量の音楽も当たり前の光景です。白い目で見られるのは携帯のスピーカー機能で音楽を聴いている若者くらいだと思います。これは正直私も理解不能です。Discoteca(クラブ)かと思わせる程の大音量で自分の好みとは違う音楽を流されても嬉しくないですよね。

もし、同じ様な子達が同じ車両に乗ったらどちらかが音楽を切るんでしょうか、それとも更に音量を上げるのか・・・気になるところです。





最近、私の周りにも子供を持つ人が増え、気付いた事があります。

スペインのMetroやバスにはベビーカー専用の場所が必ずあります。子供が少しはしゃいだり、泣き出してもそれを咎める人は誰もいません。子供が泣くのは疲れていたり、眠たかったりするからで親の責任ではないからです。

日本だと気を遣って、人の少ない時間を選んだり、泣き出した子供を連れて途中下車しないといけませんよね。これだと、かなりストレスが溜まるのではないでしょうか。

日本人のマナーの良さは世界に誇れる文化だと思いますが、周囲に気を遣い過ぎて疲れてしまうのは少し違うような気がします。

「車内ではお静かに」、「携帯電話使用禁止」などの張り紙の間にもうひとつ、「子連れに優しい車内作りにご協力ください。」があれば良いと思いませんか?

意見はしっかり伝えるスペイン人に倣って、その件で○○電鉄にメールをした事があります。更に「快適な車内環境作り」に生かしてもらえる事を願って。

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